【プロが監修】常温・冷蔵・冷凍どれがいい?コーヒー豆「保存」の教科書!

コーヒーの保管方法を覚えよう!

コーヒーは新鮮なうちに飲むのが、おいしさの第一条件です。焙煎してから時間が経つほど、コーヒー豆は劣化して風味が失われていきます。
そのため、焙煎直後の豆を少量ずつ買って早めに飲み切るのが理想です。

しかし、つい多めに買ってしまって飲み切れない…という方もご安心を!
適切な保存方法を選べば、最後の一杯まで、おいしいコーヒーが楽しめます。

この記事は「日本スペシャリティコーヒー協会」の「アドバンスド・コーヒーマイスター」の資格を持つHiromiBさんに執筆いただきました。

読み終わったころにはコーヒー豆の保存方法をスッキリ理解できます!
まさに教科書にふさわしいボリュームなので、いつでも見返せるようブックマークにも是非どうぞ(^-^)

長くなるので先に結論だけお伝えすると

実行しやすいお勧めの保存方法をまとめると、このようになります。

おいしいコーヒー豆が手に入ったら、すぐに…

  • 1週間以内に飲む分は、ジップロックに入れて、常温の冷暗所に保存
  • 残りはジップロックに小分けして、冷蔵ではなく冷凍庫に保存

近所に自家焙煎店があって、少量ずつコーヒー豆が買えるのが最もベストですが、多めに買ったときには1週間にどれくらいのコーヒーを飲むかを計算して常温保存分と冷凍保存分を分けておきましょう。

コーヒー豆を劣化から守るには?

コーヒー豆は生鮮食品?

焙煎したあとのコーヒー豆は、乾燥していて、保存食のように見えるかもしれません。実際、1年間部屋に放置しても、外観にあまり変化はなく、通常は腐ったりすることもないでしょう。

それでも焙煎したコーヒー豆は、生鮮食品と考えてほしいのです。自宅で淹れるコーヒーをおいしく味わうためには、コーヒー豆の鮮度をできるだけ維持したい。そのための保存期間や保存方法に気を配りたいものです。

この点で、コーヒー豆は、お米やお茶と似ていますよね!

コーヒーの袋や容器に掲載されている「賞味期限」のルール

実は、コーヒー豆の賞味期限については、各店舗に委ねられており、一定のルールがあるわけではありません。製造元やお店の考え方で記載されているため、焙煎日から数えて2週間、1ヶ月、場合によっては1年などバラバラです。

掲載されている賞味期限は参考として、できるだけ早めに飲みきるようにしてくださいね!

コーヒー豆劣化の5つの要因

美味しさが長続きするための、コーヒー豆の保存方法をマスターするにあたって、まずは敵を知る!
コーヒー豆が劣化する主な要因を確認しておきましょう。

水分

焙煎する前の生豆の水分量は9〜12%くらいですが、焙煎することによって、水分量は4%くらいにまで低下します。焙煎したコーヒー豆は、多孔質といって、小さな穴がたくさん開いている構造になっています。このため、とても水分を吸湿しやすいのです。

酸素

焙煎豆が空気に触れていると、酸化が進み、劣化の要因になります。これは、空気に含まれる酸素によるものです。

紫外線(光)

太陽光や蛍光灯に含まれる紫外線も、コーヒー豆を劣化させます。室内でも、蛍光灯の光には紫外線が含まれています。

焙煎豆は水分量が少ないので、熱によって腐敗することは通常ありません。しかし、熱によって、化学変化である劣化が進んでしまいます。

におい

香りが大切なコーヒーですが、焙煎豆には他のにおいも移りやすいものです。この性質を使って、焙煎豆を脱臭剤として使うこともあるくらい。

劣化を遅らせる!保存のための5つのポイント

残念ながら、コーヒー豆の劣化を完全に止めることはできません。これが、コーヒー豆を生鮮食品といった理由です。しかし、次のポイントに気をつければ、劣化を遅らせることはできます。

防水、防湿

コーヒー豆を、防水、防湿に優れた袋や容器に入れて密閉し、湿度が低い棚などに置くのがよいでしょう。

密閉

空気を完全に遮断することは難しいため、コーヒー豆の酸化の進行は、どうしても避けられません。
しかし、空気、酸素に触れる部分を少なくすることで、酸化のスピードを遅らせることはできます。
密閉できる容器や袋にコーヒー豆を入れて、できるだけ空気を抜いてから保存しましょう。

遮光

コーヒー豆を、陽が当たる場所や、蛍光灯が明るく点いた室内に置いたままにしないでおきましょう。
ただし、LED照明の多くは、紫外線をほとんど含みません。
とはいえ室内でも、食料品や調味料を冷暗所に保存するのと同様に、コーヒー豆も、遮光できる容器や袋に入れておきましょう。

防熱

コンロやレンジなど、熱を発する器具の近くに置かないようにしましょう。
季節によっては、室内の気温が上昇しますので、常温のままコーヒー豆を保存するのが難しいケースがあります。
冷蔵庫や冷凍庫をうまく使って、劣化を遅らせる保存方法は、最後に説明します。

保香、防臭

コーヒーの香りは維持しながら、外の臭いは吸収しないよう、におい成分が出入りしない袋や容器を使いたいものです。
密閉できる袋や容器には、保香性、防臭性にも優れたものがありますが、袋や容器自体がにおいのしない、においが吸着しにくいものを選ぶとよいでしょう。

焙煎直後に起こるコーヒー豆のガス放出について知っておこう

焙煎後2,3日は、コーヒー豆に含まれたガス(二酸化炭素)が多く放出されます。そのため、コーヒー豆を焙煎直後に、密閉性の高い袋に入れておくと、パンパンに膨れ上がってしまうことがあります。

袋が破裂するようなことは滅多にありませんが、焙煎したてほどガスの放出が多い、ということを知っておくとよいでしょう。この場合は、袋からガスを抜いて密閉し直せば大丈夫です。

袋によっては、焙煎豆のガス抜き用に内から外への一方向のみ通気するバルブが付いているものもあります。バルブ付きの袋なら、袋がガスで充満する心配はないですね。

ちなみに焙煎直後よりも、ガス放出が落ち着く焙煎2,3日以降がコーヒーのおいしい飲み頃とされています。

なぜガスが多いと美味しくないのか?

詳しく説明すると長くなってしまうのですが、ガスをたくさん含んだコーヒー豆にお湯をかけてもコーヒー豆に含まれるガスがお湯に対し反発します。反発することでコーヒー豆の中にお湯が浸透しづらく本来の成分が溶け出しにくい状態が生まれるため、コーヒーの味がしっかり抽出されない状態になってしまいます。

コーヒー豆の保存に向く袋や容器とは ?

コーヒー豆の劣化を遅らせる性質が高い袋や容器が、コーヒー豆の保存に向いているといえます。
一長一短がありますので、それぞれの特徴を理解して、使い分けたり、組み合わせたりしてみましょう。

クラフトバック

コーヒー豆をクラフトバックに入れて、店舗で販売されているのをよく見かけます。袋の素材としては、包装紙として用いられるクラフト紙を防水加工したものが多いです。

遮光性はある程度ありますが、防湿性、密閉性、防熱性、保香・防臭性はあまり高くありません。
そのため、保存用としては、より劣化を遅らせる性質の袋や容器に入れ替えることをお勧めします。

アルミチャック袋

アルミチャック袋も、コーヒー豆の販売で使用されています。防湿性、密閉性、遮光性、保香・防臭性があり、外からの気体の侵入を遮断して内のものを守る性質=ガスバリア性が高い袋といえますが、防熱性はあまり高くありません。

そのため、冷暗所に置くなど保存場所に気をつければ、劣化を遅らせる条件が揃います。どちらかというと専門店用で、一般家庭用で少量を手に入れるのは、難しいかもしれません。ガス抜き用バルブ付きなら、ガスによる袋の膨張も防げます。

ジップロック

防湿性、密閉性、保香・防臭性は高いですが、透明なので遮光性はありません。防熱性もありません。

ただし、コーヒー豆を入れたジップロックの空気をよく抜き、遮光性と防熱性の弱さに注意して冷暗所に置けば、劣化を遅らせる性質が揃います。一般家庭でも手に入りやすいため、コーヒー豆の保存には上手に活用したいですね。

密閉プラスチック容器

フタがしっかり密閉できるプラスチック容器であれば、防湿性、密閉性は高いですが、半透明だと遮光性には乏しいです。コーヒー豆を使っていくうちに容器上部が空いてくると、コーヒー豆が空気に触れる部分が広がり、酸化が進んでしまいます。

そこで、常にコーヒー豆をびっしり詰めたり、ラップに包んで容器に入れたりと、空気に触れる部分を小さくする工夫をして、冷暗所に置くのがよいでしょう。

容器自体ににおいが吸着しやすいものもあるので、コーヒー以外のにおいが付きにくい保存場所を選びたいですね。

密閉ガラス容器

フタがしっかり密閉できるガラス容器であれば、防湿性、気密性、保香・防臭性は高いですが、透明なので遮光性はありません。
他の容器と同様、コーヒー豆を使ううちに、容器上部に空気に触れる部分が広がりますので、プラスチック容器の場合と同様の工夫をして、冷暗所に置くのがよいでしょう。

キャニスター(最もオススメ)

一般的に、防湿性、密閉性、遮光性、保香・防臭性は高いです。
キャニスターも他の容器と同様、容器上部の空き空間が広がらないように留意して、冷暗所に置くのがよいでしょう。

コーヒー豆の保存の要件から、袋、容器の一般的な特徴をまとめるとこのようになります。よりコーヒー豆保存用に工夫されたものもありますので、あくまでも目安としてくださいね。

値段は少し高くなりますが、ステンレスのコーヒー専用キャニスターは保存に特化している印象です!

保存容器の掃除

容器の場合、袋とは異なり、繰り返し使えるメリットがありますが、酸化した粉や臭いが、コーヒー豆に付着しないように、清潔な容器を使いたいものです。

特に深煎りのコーヒー豆には、焙煎後2,3日でコーヒーオイルと呼ばれる脂質が豆の表面に浮いてきます。コーヒーオイルが容器に付着したままだと、酸化して嫌な臭いの原因になってしまうことも。

保存容器を繰り返し使う場合は、ときどき布で拭くか水洗い後によく乾かしてから使うようにしましょう。

コーヒー豆か?コーヒー粉か?

コーヒーは豆でなく挽かれた粉の状態でも買ってくることができます。粉の状態だと、すぐに飲めて便利ですね。

しかしコーヒーの粉の場合は、あまり長く保存することができません。できるだけ早めに飲みきってしまいましょう。豆を粉にすると表面積が増えて酸化のスピードが速くなります。

自宅でコーヒー豆を粉に挽いた場合も同じです。

できれば豆のままで保存し、飲む分ずつ粉に挽いた方が、劣化を遅らせることができます。
どうしても粉のままで保存が必要な場合は、ここでご紹介しているような、できるだけ劣化を遅らせる方法で保存しましょう。

常温・冷蔵・冷凍。コーヒー豆の保管温度

【常温】の保管に関して

焙煎したてのコーヒー豆は、よい香りを放ち、しばらく部屋に置いておきたくなります。おいしいコーヒーを飲むためには、室内常温でのコーヒー豆の保存の目安は、「1週間」と考えましょう。
劣化を遅らせる袋や容器に入れて、湿気が少なく暗い棚の中などに保存しましょう。

焙煎日から1週間は短い!と感じられるかもしれませんが、生鮮食品であるコーヒーの焙煎豆、焙煎直後から劣化が始まります。
もちろん常温保存で1週間を超えたコーヒーも飲むことはできますので、あえて常温保存して味の変遷を楽しんでみる、というちょっとマニアックな味わい方もできます。

個人的な印象では常温保存で2週間くらい経つと、味が抜けたような、あるいは粉っぽい印象の味になっていくので、1週間で飲みきれる分だけを常温保存するようにしています。

常温保管のメリット
  • 簡単
  • 部屋によい香りが漂う
常温保管のデメリット
  • 劣化は進みやすい
  • 常温でも温度の変動が激しいと、さらに劣化が進みやすい

冷蔵・冷凍したコーヒー豆を常温に戻すと?

ところで、いったん冷蔵・冷凍したコーヒー豆を常温に戻すとどうなるでしょうか?
他の食品と同様に冷蔵庫や冷凍庫から出すと、結露してコーヒー豆の表面に水滴が付きます。

コーヒー豆を冷蔵・冷凍した場合は、常温に戻してから使うとガイドされているケースもあり意見が別れているところです。しかし私個人としては結露による劣化が進まないよう、冷蔵庫や冷凍庫から出したらすぐ使うようお勧めしています。

【冷蔵】の保管に関して

冷蔵保存は私個人としてあまりお勧めしていません。気温が高い夏や、湿度が高い梅雨時など、常温保存するには条件が厳しい時期の代替手段として考えています。

コーヒー豆を冷蔵保存する場合も、「1,2週間」で飲みきるようにしましょう。

冷蔵保管のメリット
  • 冷蔵対応の保存容器があれば簡単
  • 一定の低温で保存できる
  • 遮光できる
冷蔵保管のデメリット
  • 他の食品のにおいが移りやすい
  • 冷蔵庫のドアの開け閉めや、取り出し回数が多いと温度変化や水分の付着で劣化が進む
  • 冷蔵庫から出したあと結露しやすい

食品がいろいろ入っている家庭用の冷蔵庫で、コーヒー豆が脱臭剤になってしまわないよう袋に入れて、できるだけ空気を抜いて密閉しましょう!

いったん冷蔵庫から出したコーヒー豆は、再冷蔵すると風味が悪くなります。冷蔵庫から取り出している時間を短くして、取り出したコーヒー豆はすぐに挽いて飲みきるがのベスト。

あらかじめ飲む分ずつ小分けして、冷蔵庫に入れておくと良いですよ。このように冷蔵庫を使った保管方法もありますが、コーヒー豆の保存には、このあとの冷凍保存をお勧めします。

【冷凍】の保管に関して

冷凍保存はコーヒー豆の劣化をもっとも遅らせることができるため、コーヒー豆の保存にはお勧めの方法です。おいしいコーヒーを味わうためには、冷凍保存の場合は「1ヶ月」以内に飲みきることをオススメします。

冷凍による保存でより長期保存も可能ですが、他の生鮮食品と同様で表面から乾燥が進む「冷凍焼け」がおこります。それにより、ゆっくりですが酸化も進みます。冷凍保存の場合は1ヶ月をおいしさの目安と考えてくださいね。

冷凍保管のメリット
  • 冷凍に対応できる保存容器があれば簡単
  • 一定の低温で保存でき、酸化が進みにくい
  • 遮光できる
  • 他の保管方法より長期保存できる
冷凍保管のデメリット
  • 冷凍庫からの取り出し回数が多いと、温度変化や水分の付着で劣化が進む
  • 冷凍庫から出したあと結露しやすい

冷凍保存の場合も、風味が悪くなるため再冷凍は避けましょう。同時に大袋ではなく、小袋に分けて保存しておくことで出し入れのときの結露の影響を減らせます。

冷凍庫から取り出したコーヒー豆は、そのまますぐに挽いて粉にして抽出できます。もし温度の低さが気になるようであれば、少し熱めのお湯で抽出すればよいでしょう。

【冷凍の副産物】冷凍するとコーヒーが美味しくなる!?

ある論文を元に冷凍するとコーヒーがおいしくなる、という記事が話題になったことがあります。
(英文での参照:https://www.nature.com/articles/srep24483

その理由は冷凍状態の豆を挽くと、粉の粒度が均一で細かくなりやすいから…とのことです。ではなぜ、コーヒー豆を冷凍すると挽いたときの粒度が均一になるのでしょうか?

この論文によるとコーヒー豆を挽くときにミルやグラインダーの刃が摩擦熱を持ち、温度が上がることで挽いたコーヒーの粒度が粗くなったり、不均一になったりする傾向を発見。

一方で豆自体の温度が低いと、その影響を抑える効果を確認できたのだそうです。

コーヒーの粉の状態が不均一だと粉の密度も不均一となり、抽出時のお湯の浸透が一定でなくなることが問題とされています。特に店舗で提供するエスプレッソの場合のコーヒー粉の細かさや均一性は、一定の味が出せるかどうかに影響を与えます。

粉の粒度が均一になれば、抽出にばらつきが出にくく一定にしやすいというメリットがあるのですね。

まとめ

いかがでしたか!?

コーヒーの保存方法を選ぶときに役に立つ、コーヒー豆の劣化の要因や保存のポイントをご紹介しました。実行しやすいお勧めの保存方法を再度まとめると、このようになります。

おいしいコーヒー豆が手に入ったら・・・

  • 1週間以内に飲む分は、ジップロックに入れて、常温の冷暗所に保存
  • 残りはジップロックに小分けして、冷凍庫に保存

近所に自家焙煎店があって、少量ずつコーヒー豆が買えるのが最もベストですが、多めに買ったときには1週間にどれくらいのコーヒーを飲むかを計算して常温保存分と冷凍保存分を分けておきましょう。

そしてコーヒーの「焙煎日」がわかることが重要になってきます。自家焙煎店で買う場合は、いつ焙煎した豆なのか?ぜひお店の人に聞いてみてくださいね。

コーヒー・アート・本にテクノロジーなど、幅広いジャンルで執筆しているフリーランスのライター。仕事で大切にしているのは「わかりやすさ」と「共感」
ITコンサルタントの顔も持つがコーヒーが好きすぎて焙煎の修行中。

 

【所有資格】
SCAJ アドバンスド・コーヒーマイスター

【編集長より一言】
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が認定するコーヒーマイスターの上級資格であるアドバンスドに合格。コーヒーの専門家でありながらも、一般的な視点でコーヒーの事を優しく教えてくれる心強い味方。

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