【バリスタ監修】コーヒー発祥の地「イエメン」の味や特徴を知ろう!

この記事は2018年11月1日に最新情報へ更新されました。

コーヒー発祥の地

あなたはコーヒーを世界で初めて商業的に扱い、全世界に広めた国がどこかご存知ですか?実は中東のアラビア半島南端部に位置する国「イエメン」なんです。

イエメンと聞いてもピンとこない方も多いかもしれませんが、「モカ」と聞けば誰しもピンとくるのではないでしょうか?イエメンの「モカ・マタリ」はかつてコーヒールンバの作曲した曲とともに日本でも一大ブームとなりました。

近年ではイエメンのコーヒーを飲める機会も減ってしまいました。なぜ飲める機会が減ったのか?
今回はその要因も含め、プロのバリスタである滑川京子さんにイエメンのコーヒーについて解説して頂きました。

イエメンのコーヒーをまとめてみると

早見表

①世界での生産ランキング
⇒30位

②栽培品種
⇒アラビカ種が100%

③詳細品種
⇒モカ種

④収穫時期
⇒10月~3月

⑤生産処理
⇒ナチュラル

⑥味の特徴
⇒爽やかな香りと強い酸味、ワインフレーバー

その他の特徴

イエメンは中東のアラビア半島南東部に位置し、北はサウジアラビア、東はオマーンと隣接しています。面積は日本の約1.4倍ありますが、人口は東京都と神奈川県を足したくらいしかいません。

紅海・アデン湾・アラビア海に面し、大部分が砂漠地帯のアラビア半島の中でも水源豊かで他国との貿易で栄えたイエメンを古代ローマ人は「幸福のアラビア」と呼んだそうです。
公用語はアラビア語で、国民のほぼ全員がイスラム教を信仰しています。

イエメンの地理的なエリア

イエメンは地理的には4つの地域に分けられます。

1.紅海沿岸
非常に乾燥しており、川は雨季に一次的に川となるワジがあるのみ

2.西部山地
降水量が多く大地も肥沃で、昼夜の寒暖差が大きい。段々畑での農業が盛んで、綿花やマンゴーの栽培もされている

3.東部山地
標高2,000m以上で昼夜の寒暖差がかなり大きく、昼は30度まで上がり夜は0度まで落ちる

4.北のルブアルハリ砂漠
ラクダの遊牧がされている。
この中で輸出されているコーヒーの栽培は西部山地で行われている。

コーヒー発祥の地と言われる、イエメンの歴史

コーヒーの歴史はかなり古く、コーヒーノキの原産国であるエチオピアの次に歴史があると言われています。コーヒーを世界で初めて商業的に扱い、全世界に広めた国であることから「コーヒー発祥の地」とも言われています。

かつてはイエメンのモカ港から対岸のエチオピアの豆も一緒に輸出していたことから、両国の豆をまとめて「モカ」と呼んでおり、全盛期にはモカ港にイギリス、オランダ、フランスが輸出のための工場を置いていました。

しかし1830年ごろからエチオピアが自国で輸出を始めたことにより、関税が高く取引価格が高騰するモカ港経由のコーヒー豆は次第に取引が減り、衰退していきました。

イエメンのコーヒーの栽培環境

栽培はアラビカ種のみで、標高1,000mから3,000mの山岳地方で行われています。栽培環境は原生の状態に近いところが多く、機械などは使用せずに収穫し精製されています。

それは自然保護の観点などではなく、急斜面に農園があり機械化が難しいこと、一つひとつの農園が小規模のため機械化する必要がないことが理由です。

さらに品種も長い間に自然状態での変異、交配を繰り返したため特定することが難しく「モカ種」と呼ばれています。見た目はエチオピアの豆ととても類似しており、小粒で丸みを帯びた形です。

等級・格付けについて

等級は品質には関係なく、地域で格付けされています。

  1. 一番等級が高い地域がマタリ
  2. 続いてサアナ
  3. その次がシャーキ
  4. 一番低い地域がホデイダ

マタリについては豆の大きさで更に4等級に分けられており、一番上がNo.9、一番下がNo.6です。しかしながら日本での流通量は、一番生産量の少ないはずのNo.9が多いことを考えると、どこまで正確な情報なのかは疑問が残ります。

イエメンで最高等級にあたるマタリのNo.9でも欠点豆の混入率がかなり高く、完璧なピック(欠点豆の除去作業)をすると量が数分の1まで減ってしまうそうです。これは、イエメンにそもそもピックをするという概念がないことが要因だそうです。

実際にイエメンのコーヒー豆を完璧にピックしてしまうと「モカ香(モカフレーバー)」と呼ばれる独特の香りも消えしまい、かなり印象のない平坦な味わいになってしまうとも言われています。

実際に私自身も数年前に喫茶店でイエメンのコーヒーを飲んだ際には、かなり特徴のないコーヒーだな…と感じたことがありました。「欠点豆も残すことで初めて完成するコーヒー」と言ってもいいのかもしれませんね。

スペシャルティコーヒーが主流になりつつある日本では、逆に新しいコーヒーの楽しみ方…と言えます。

精製方法~流通について

イエメンのコーヒーのもっとも大きな特徴はすべてのコーヒーが「ナチュラル精製」と呼ばれる、果肉を付けたまま乾燥させる精製方法だということです。ナチュラル精製により果肉の風味や甘みが移ったマタリNo.9は「コーヒーの貴婦人」とも称され、風味をワインなどに例えられることが多いです。

乾燥の終わったコーヒーは自家消費用と販売用に分別し、自家消費用は乾燥した果肉がついたまま保管し、飲む時に脱穀を行います。販売用に関しては各集積所に持ち込み、その集積所から仲買人を通して商社に渡ります。

イエメンではイスラム教の教えよりも部族の慣わしに重きを置いている程「部族」というものを大切にしていますので、他の部族の人間が勝手に自分の部族以外の地域に踏み込むことはかなり危険な行為です。そのため仲買人を通して商社に売買をしています。

集積所に持ち込まれたコーヒーはそこで脱穀、またはコーヒーの果肉がついた状態で商社に渡ります。イエメンでは石臼で脱穀を行うため豆が欠けてしまうことが多く、大半の場合は、商社はコーヒーの果肉がついた状態で買い付け、自社工場で脱穀をすることの方が多いようです。

ちなみにイエメンでは脱穀した後の果肉は「ギシル」と呼ばれる飲み物に使用しており、通常飲まれているコーヒーの種の部分よりも人気があるそうです。

イエメンのコーヒーは入手しにくくなっているけど、飲める場所もある!

実は2008年に基準値を超える農薬成分が麻袋から検出されたということで、輸入が規制されてしまいました。現在では、規制は解除されていますが、昨年まで内戦が続いていたことも影響し、ニュークロップ(お米でいう新米)を手に入れることはかなり困難な状況です。

運が良ければ老舗喫茶などでオールドクロップ(何年か前のもの)を飲めるかもしれません。ぜひ飲んでみたい!という方は最新のカフェではなく、老舗喫茶などを訪ねてみてください。

代官山に「モカカフェ(モカコーヒー)」というイエメンのモカコーヒーとイスラム菓子の専門店があります。看板もアラビア文字で記載されており、コーヒー豆もイエメンのものだけを数種類取り扱っている珍しいお店です。更にギシルもメニューにありますので、行かれた際にはコーヒーだけではなく、ギシルもぜひ味わってみる事をオススメします!

Felicemente代表。

小さな焙煎所、カフェチェーン店、バー勤務、イベントでのバリスタ業務、家電量販店でのマシン販売など様々な実務経験を経て、現在は子育てをしながらフリーランスのバリスタとして活動中。

『日々の生活を少し豊かにするお手伝い』をコンセプトに初心者向けのセミナーや子ども向けのセミナー、イベント出店などを主に行っている。

【所有資格】
■日本バリスタ協会(JBA)認定バリスタ
■イタリア国際カフェテイスティング協会(IIAC)認定
呼称:エスプレッソ・イタリアーノ・テイスター

【実績】
■日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)主催
ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ(JHDC)2018 2nd place(準優勝)
■デロンギ・ジャパン株式会社 電気カフェケトル ブランドアンバサダー

イイねと思ったらポチっとシェア!ポチっとは編集長のモチベにつながります(笑)
↓↓↓

【編集長セレクト】いま試さないと、きっと後悔する。日本1位受賞のコーヒーショップ!

プロも認める焙煎技術!ロクメイコーヒー。

あなたも、私が感動したスペシャルティコーヒーを試してみませんか?
この感動を知らずに、普通のコーヒーを飲み続けるのは本当にもったいないとしか言えません!

もちろん贈り物やギフトにもピッタリなコーヒーです。あなたにベストな1杯を見つけられますように!

 ROKUMEI COFFEE(ロクメイコーヒー)

(ロクメイコーヒー代表:井田浩司氏)

【祝】焙煎の競技大会において2018年度、日本1位に!

公式ページ